商法など概念は個々の状況において適用方法が大きく変わりますので必ずしも御社の状況に以下の情報が合致をするとは限りません。私どもの目的は、読者にビジネス全般について考えていただく教育材料を無料提供することであるため、当事務所の情報に間違いがあり読者に財務上などの損失を生じた場合にでも責任は一切取ることができませんことを最初にお断りしておきます。
会社の記録の保存期間
会社法においては有限会社(Limited Company)は3年間、株式会社(Public Company)は6年間保存しなくてはならないとされています。税務上はすべての会社として扱われる団体は税務会計期間が終わってから6年間の間記録を保存しなくてはなりません。
駐在員の移民法情報の管理
日本の会社において駐在員を複数派遣するためには法人としてスポンサーシップのライセンスを取得する必要があります。そして一旦ライセンスを取得した後にも、英国においては移民法の規制は厳しくなる一方ですので、ライセンスを剥奪されたり停止されたりしないように注意が必要です。スポンサーシップマネージメントシステムとよばれる英国移民局のシステムにおいて、情報管理を行う必要があります。事務所の移転により雇用者の情報が変わった場合や、社内の人事における責任者が帰国した場合などはスポンサーの明細を変更をしなければなりません。また、従業員の肩書きやサラリー、労働時間などが変更になった場合や無給で休む場合などは、このスポンサーシップマネージメントシステムで移民情報の変更報告を行う必要があります。
学生を雇用する際の規則
基本的に学期期間においては週に働く時間が移民法で規定されておりますので、勤務時間の上限については法務局のウエブサイトを参照ください。
例外としてはその仕事がコースの一部であり、属している教育機関に認可されており、それが学士号か英国で認知された試験機関の資格に通じる場合です。また、休暇期間においてはこの限りではありません。
ビジネスを行ったり、自営業(セルフエンプロイド)を行ったり、プロのスポーツマンやエンターテイナーとしてサービスを提供することもできないので、このような文脈で学生に接することのないようにする必要があります。
また、6ヶ月かそれ以下の期間で学習する学生は、基本的に入国時に担当官から働く許可をとることが必要となっていますので、注意が必要です。
会社内容確認書とは
会社内容確認書(Confirmation Report)とは会社の基幹情報を会社登記所に報告する書類です。主たる内容として、登記住所、事業内容、取締役の明細、株式所有明細などがあります。間違いがあった場合は修正できますが、内容を変更をする場合には正式に個々の書類で報告することが必要です。この情報は会社登記所のウエブから誰でも安価か無料で購入ができます。
英国において有限会社(リミテッド・カンパニー)が有限責任を謳歌できるのは、このような基本情報を社会に広く公開し、責任の所在を明確にし、債権者がリスクの度合いを正しく判断できるようにしていることが認可条件の一つとなっています。
知的財産について
知的財産は一般的にコピーライト、パテント、デザインおよび商標に分類されます。勅撰パテントエージェント協会やパテントオフィスに連絡して情報を入手してください。
トレードマークは、言葉、シンボル、臭いやサインなど他のビジネスと当該ビジネスを差別化するいかなる条件でもありえます。トレードマークは、パテントオフィスで登録可能な場合はその登録を通じ、登録がされていない場合はコモンローにおける訴訟行為により保護されます。トレードマークは商品の性格よりも商品の起源を表記するので、トレードマークは際立った特徴を持っている必要があります。そのため、類似のトレードマーク登録申請は却下されてしまいます。
英国で事業を立ち上げることを考えている方へ
英国では事業を立ち上げるのは比較的簡単ですが、立ち上げの時点でいろいろな点を考慮しなければ、後々税金で損をしたり、事業の再編成を行う必要が出てきたりします。
英国有限会社(Company limited by shares)を立ち上げるケースが多いですが、株式会社や外国会社の支店など他にもいろいろな種類の会社があります。ビザ、日本の法人税、会社のイメージ、資金調達方法、株主間の関係などでどのような法主体を事業のために選択するかどうか考えなくてはなりません。会社名もBritishやEnglishが先に来て政府関係団体と誤解されるような名前や医療関連の名前など認可制のものなどは制約があります。また類似の会社名に関する規則もいろいろとございます。
食品衛生やアルコールライセンス、金融業、医薬品や危険物など登録が必要な事業はあります。
VATを登録するべきなのか、しないべきなのか、法人税はいつから課されるのか、給与源泉徴収や従業員の登録はどうするのか、駐在員がいるのであればどのように処理をするのか、罰金が発生しないように税務上の段取りは非常に大切です。また、税金のスキームなどは当初から構造を整備しなくてはならないものも多々あります。
最近では会社名よりもドメイン名がもっと重要であると考えられる場合もありますので、会社名のみならずドメイン名も確保する必要があります。Eコマースなどが重要であれば、COMやCO.UKといった一般的なもののみならず、NETやORGなども入手しておく必要があるでしょう。またドメイン購入の際に所有者の住所や連絡先を伏せておく選択をしておかなければ、頻繁に営業コールやメールが来る場合があります。